恋に異例はつきもので
「茅ヶ崎に部屋を持ってるから、近々、そこで過ごすことにしよう」
「えっ、部長、別荘もあるんですか?」

 もう、どんだけ金持ちなんだろう⁈
「そんなたいしたもんじゃない。海しかないところだし」

 なんだかもう、驚くことばっかり。
 
 結局、部長の愛車、シルバーのジャガーで家まで送ってもらった。
 車から降りる前に、もう一度、心のこもったキスをくれた。

 そして、耳たぶを食みながら、彼は囁いた。

「花梨。覚悟しとけよ。俺は惚れた女はとことん愛し尽くすから」
「の、望むところです」

 その返答に、彼は思いっきり吹き出した。
 そして、言った。

「お前といたら、一生飽きずにいられそうだ」と。
< 105 / 110 >

この作品をシェア

pagetop