恋に異例はつきもので
 それまで、順風満帆の人生を歩んできた宗一郎さんにとって、わたしに振られるなんてまったく想定外だったんだろう。
 そのショックはかなりのものだったらしい。

 別れて半年ほど経ったころ、共通の知り合いから
「宗がめちゃくちゃ荒れてる。よりを戻すことはできないのか」と言われたときはかなり悩んだ。
 でも、就職したばかりだったわたしは自分のことで精いっぱいで、結局、彼に連絡せずじまいで。
 それから一度も会うことはなかった。



 まあでも、考えてばかりいてもしょうがない。
 わたしの唯一の取り柄は切り替えの速さだし。
 そんなことを考えながら、ベッドに横になっていたら、いつの間にか眠りにおちていた。
< 27 / 110 >

この作品をシェア

pagetop