恋に異例はつきもので
「世間における弊社のイメージははっきり言って古臭く、完全に時代に取り残されたものだと思うんですよ。それを払拭するにはかなり大胆なイメージチェンジが必要だと考えています」

 宗一郎さんの言葉に、部長はコーヒーカップをソーサーに戻し、スッと背筋を伸ばした。

「なるほど。そのためには商品内容はもちろん、パッケージ、ロゴ、社員の意識改革……かなり大胆な手術を施す必要がありますが」

「はい。もちろん、そのつもりです。このまま、自分の代で会社を朽ちさせたくはありませんから」
 宗一郎さんは断言した。

 その横顔からは何十人もの従業員を背負って立つ責任感がにじみ出ていた。
 あれから4年も経つのだから当たり前だけど、宗一郎さん、成熟した男性としての魅力が増したみたい。
< 37 / 110 >

この作品をシェア

pagetop