恋に異例はつきもので
「俺さ……お前のコンペの企画書を読んだとき、なんかさ、すごくいいなと思ったんだ」
「えっ?」

「他の企画は、『これがトレンドです』、『最先端です』っていうのばっかりで。そこに突然『駄菓子屋』だからな。思わず吹き出しそうになった。でも、これ書いたの、どんな奴なんだろうって興味が湧いた。で、プレゼンでまた下手なんだけど、熱意はピカイチだった。で、ぜひ俺がこいつを鍛えたいと思ったんだ」

「部長……」

「だから俺のところに引っ張った。ちょうど『ヤマモト』から最初の打診があったところだったしな。お前なら、子供の目線に立った、いい企画を立ててくれるだろうと思ったんだ」
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