恋に異例はつきもので
 その言葉を聞いて、体が熱くなっていく感覚を覚えた。
 そして、心の底から実感していた。

 この人の下で仕事ができて良かった、と。

 こんなにやりがいのある仕事を任されることになんて、つい数ヶ月前まで、考えてもみなかった。
 すべて、部長がわたしをこの部に引っ張ってくれたおかげだ。

 よっしゃー、もうひと踏ん張り、頑張ろう!

 コーヒーを飲み終え、自分のカップと部長のカップを給湯室に持っていこうと思い、椅子から立ち上がった。
 すると、頭がふわっとして、身体が前に傾いだ。
 あっ、ヤバい、倒れる……
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