恋に異例はつきもので
「おっ」
部長は大きな音をさせて椅子から立ちあがると、とっさにわたしを抱き留めた。
身長差が大きいので、わたしは彼の胸に顔をうずめる恰好になった。
「す、すみません」
あわてて身体を起こそうとすると、彼はわたしの頭の後ろに手を回してきた。
えっ?
「根の詰め過ぎだ。立ちくらみだろう。落ち着くまでしばらくこうしててやる」
穏やかな声でそう言うと、部長は回した手に少し力を込めた。
「はい……」
どうしよう。
逆に落ち着けないんだけど。
自分でも鼓動が高まっていくのがわかる。
心臓の音、伝わっちゃうんじゃないかな。
早く離れないとどうかなってしまいそう。
でも……
このままずっとこうしていたい。
そんな気持ちが沸き上がってきた。
もし、彼の鼓動もわたしのように高まっていたら。
わたしは躊躇なく彼の背に腕を回していたかもしれない。
部長は大きな音をさせて椅子から立ちあがると、とっさにわたしを抱き留めた。
身長差が大きいので、わたしは彼の胸に顔をうずめる恰好になった。
「す、すみません」
あわてて身体を起こそうとすると、彼はわたしの頭の後ろに手を回してきた。
えっ?
「根の詰め過ぎだ。立ちくらみだろう。落ち着くまでしばらくこうしててやる」
穏やかな声でそう言うと、部長は回した手に少し力を込めた。
「はい……」
どうしよう。
逆に落ち着けないんだけど。
自分でも鼓動が高まっていくのがわかる。
心臓の音、伝わっちゃうんじゃないかな。
早く離れないとどうかなってしまいそう。
でも……
このままずっとこうしていたい。
そんな気持ちが沸き上がってきた。
もし、彼の鼓動もわたしのように高まっていたら。
わたしは躊躇なく彼の背に腕を回していたかもしれない。