恋に異例はつきもので
 宗一郎さんはピスタチオのアイスを口にしながら、上目遣いでわたしを見た。
「当ててみようか。木沢さんのことだろう?」

「……なんで、わかっちゃうの」
「花梨は心で思ってること、全部態度に出るからね。ふたりでいるときの空気感がひと月前とぜんぜん違ってたから。何気ない視線とかね」

 お見通しだったんだ……じゃあ、隠しても仕方がない。

 わたしは宗一郎さんにすべて話した。

 彼を好きになったこと。そして、わたしの尊敬する先輩と付き合っているらしいことを。

「でも、ちらっと見かけただけなんだろう? それで諦めるのは早すぎるんじゃない?」
「うーん。でも……」
「なんだよ。花梨らしくないな。ちゃんと木沢さんに気持ちを伝えて、はっきりさせた方がいいと思うけど」

 
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