恋に異例はつきもので
 たしかにそうかも。

 宙ぶらりんのままだから、こんなに気分がすっきりしないのか。

 部長がわたしを好きであることは100パーセントないだろうけど。
 でも……
 振られたところで、何かを失うわけでもない。

「そうだね。宗一郎さん、ありがとう。たしかにいつまでもグズグズしてるなんて、わたしらしくないね」
「ああ、まったく花梨らしくない」

 宗一郎さんは微笑みながら頷いた。
< 91 / 110 >

この作品をシェア

pagetop