【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜


 そしてわたしは、いつも通り何事もなかったかのように振る舞った。
 夕飯の買い物を済ませ、夕飯を作り、帰ってくる和人を出迎える。

「ただいま」

「おかえりなさい、和人。お仕事、お疲れ様」

 帰ってきた和人をいつもの笑顔で明るく出迎え、ハグをする。

「ありがとう、百合音」

「ご飯にする?それとも先にお風呂に入る?」

 その問いかけに和人は「先に夕飯食べるよ」と答えた。

「分かった。すぐ用意するね?」

「ありがとう。手を洗ってくるよ」

「うん」

 こうして無理矢理笑顔を作るのは、とても疲れる。だけどこれも、いい婚約者を演じるためには仕方のないことだ。
 後もう少し、我慢しなければ……。

「「いただきます」」と手を合わせ、わたしの作ったカレーを食べる。

「うん。美味い」

「良かった」

 カレーを美味しそうに食べる和人の顔を見ながら微笑んだわたしに、和人はこんなことを言ってきた。

「なぁ、百合音」

「何?」

「まだ出来ないのか?子供」

「……え?」

 子供……?何言ってんの……?
 いきなりなんでそんなこと……。
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