【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜
「和人……ありがとう」
良かった……。なんとか誤魔化せたようだ。
「子供子供って、プレッシャー与えてたことも知らずに言ってた俺が悪い。……百合音だって、俺と同じ気持ちでいてくれてるのに」
同じ気持ち……?そんな訳、ないでしょ?
誰がアンタなんかと同じ気持ちでいるものか……。わたしは和人と同じ気持ちなんかじゃない。
わたしの心はずっと昔から、別の方向を向いてるの。
和人と同じ方向なんて向いてない。勘違いしないでよね……。
ほんとに吐き気がする。
「……ごめん、和人」
「謝らないでくれ。……俺が悪いんだ」
「……どうしよう。ずっとこのまま、子供が出来なかったら」
そう言ってわたしは、和人を見つめる。すると和人は、そんなわたしに言った。
「大丈夫、いつかちゃんと出来るから。……な?だからそんなに落ち込むな」
「……うん。ありがとう、和人」
そう言って微笑むわたしの笑顔に、和人はまんまと騙されたようで「気にするな。さ、冷めないうちに食べよう」と言った頭を撫でた。
「……うん」
ーーーー結婚式まで後、2日。