【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜
「……そうか。全部、ウソだったのか」
「ええ、そうよ。全部ウソよ。……あなたに何百回と抱かれたのも、復讐だと悟られないため。わたしはあなたの婚約者として、あなたを愛してるフリをしたの。単にいい婚約者を演じただけ。ただそれだけだから」
今日という日をずっと待ち望んでいたはずなのに……。なぜか悲しくなる。
そして虚しくなって、心にポッカリと穴が開いたみたいに感じた。
「……そうか。そうなのか」
だけどそんなことをしても、ただ残るのは虚しさだけで……。よく分からない感情が心のどこかに残っていた。
「……あなたはサイテーなことをした。人としてサイテーなことを」
大切な人なら尚更、助けるべきだったはずなのに……。何をしても、助けるべきだった。
「……ごめん。本当にごめん、百合音」
「わたしはあなたのことを絶対に許さない。……これからだって許すつもりはない」
そんな和人にわたしは「姉のことを幸せにするはずだったあなたが、逆に姉を不幸にしたの。その結果、あなたは姉を追い詰めて見殺しにした。……それは決して、許されることじゃない」と言葉をぶつけた。