【完結】復讐の恋〜あなたに復讐するために結婚します〜


 回した腕に力を込めると、さらにその動きは激しさを増していく。
 
「あっ、やっ……ダメッ」

 和人と婚約した時から、和人はこうして体を重ねる時は避妊をしなくなった。それは和人自身が、早く子供が欲しいと願っているからだ。
 だけどわたしは、和人の子供なんて望んでいない。だから行為の後は、いつも和人に内緒でピルを飲んでいる。

「んんっ……かず、とっ」

「っ、百合音……!」 
 
「あんっ……んんっ」

 深く口付けを交わしながら、その激しく揺れるベッドの上で、わたしは和人の名前をそっと呼ぶ。
 理性が限界を迎えようとした時、和人はわたしの両手をギュッと力強く握り、理性の限界を迎えた。
 
「百合音……子供、出来るといいな」 

 行為後、ベッドに横たわっているわたしの髪を優しく撫でながら、そう口にした。

「……うん」

 和人、勘違いしないで……。わたしが和人と結婚するのは、子供を作るためじゃないんだよ。
 あなたに復讐するために、わたしはあなたと結婚するの。

 だから絶対、わたしはあなたとの子供は作らない。……これからも。
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