愛されたい少女
おはよう

「おはよう、今日は忙しくなるよ」

「おはようございます」

「敬語じゃなくていいよ、ひとつしか変わらないから」

「はい、そうしま、いや、そうする」

「ふっかわいい」

「いい匂いがしますね。何作ったんですか?」

「あ〜好きな物が分からないから色々作ったんだよ。早くリビングに行こ」

「これほんとに全部作ったんですか?」

「うん、家庭科は得意だからね」

「うっ」

こんなにも優しくしてもらうのは初めてで涙が止まらない

「ごめん、嫌いなものだった?」

「違くて、こんなにも優しくしてもらうのは、いつぶりだろうって思ってホントにありがとうございます。私、どういう風にこの恩を返せばいいか」

「こんなの優しくしたうちに入らないよ」

「それに、恩なんて、返さなくていいし。どうしてもって言うならこの先ずっと僕に愛されてて」

愛されてて、なんて恩を返すうちに入らないよ
「いや、どうしてもって言わなくてもそうして。うんそうじゃないと僕が耐えられない」

でもそれで恩が返せるなら

「京さんにずっと愛されたいです」

「可愛い、そうだ!じゃあ、今日は僕が食べさせてあげるよ」

「それは、ちょっと恥ずかしい」

「ダメだよ。ほら、口開けて」

恥ずかしいけど言う通りにする

(パクッ

「お、おいしい」


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