DAYS -静かに積み重ねた私たちの日々-
3月1日
最近、学年を問わず女のコ達が頻繁に西浦を訪ねてくる。
卒業が近いからじゃない?と、聞いてもいないのに友達のマキちゃんが
いった。
3月5日
忘れかけていたのに。
西浦と一緒に帰る約束をしてた。
職員室に行く用事があって、急いで教室に戻ったら西浦の姿はなかった。
誰かに呼ばれてたよ、と同じクラスのコにいわれて何気なくのぞいた窓の
外に見えたのは、一緒に買ったあのマフラーを巻いた西浦と、髪が前より
伸びたユカ先輩。楽しそうに話をする2人を見て私の心に生まれたのは、
嫉妬という醜い気持ち。
私、こんなに西浦のこと好きになってた。
3月6日
昨日私は西浦をおいて先に帰った。
頭が痛くて、と下を向きながら言い訳する私に西浦は『どうしてこっち
見ないの?』といった。
『ねえ、何で?』と軽く西浦が私の右手首をつかんだとき、私は思いきり
それを振り払ってしまった。
どうしよう。気付いてしまった。
もう私は西浦と友達でいられない。
3月10日
西浦と話をしなくなってから4日が経った。
こんなときになって、席が離れたことに感謝してる自分がものすごくイヤ。
もうすぐ、卒業式だというのに。
3月14日
夜、ベッドの上に放り投げておいたケータイが鳴った。
『希へ。明日、式が終わったら教室で待ってて』
西浦からだった。文字だけでこんなにドキドキするなんて、私はもう
末期症状なのかもしれない。
でも、きっと私からいわなきゃ始まらない。
明日、私は中等部を卒業する。