DAYS -静かに積み重ねた私たちの日々-



11月13日

西浦と2回目の日直。

放課後2人で日誌を書いて、最後にチョークで黒板に書かれた日付を
書き直そうと黒板消しを手に持って西浦に背を向けたら、後ろから
西浦が黒板消しを私の手からとって代わりに消した。
振り返ってありがとう、と言おうとしたら、西浦の唇が私の唇に触れた。


「…なんで?」


「…なんでだろ?」


目を開けたままの、私のファーストキス。



11月30日


まもなく期末テストが始まる。といっても、うちの中学は大半がその
まま高等部へ進学するので緊張感はあまりない。

穏やか過ぎる毎日。

テスト前だというのに、西浦とマフラーを買いに行った。西浦はモス
グリーン、私はピンクのチェックを選んで、その場で身に着けた。

『暖かいね』

といったら、

『うん、でも』

といって私の手をとってブレザーのポケットに入れた。

『この方が暖かいよ』


ううん、なんだか熱かったよ。


< 8 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop