DAYS -静かに積み重ねた私たちの日々-
11月13日
西浦と2回目の日直。
放課後2人で日誌を書いて、最後にチョークで黒板に書かれた日付を
書き直そうと黒板消しを手に持って西浦に背を向けたら、後ろから
西浦が黒板消しを私の手からとって代わりに消した。
振り返ってありがとう、と言おうとしたら、西浦の唇が私の唇に触れた。
「…なんで?」
「…なんでだろ?」
目を開けたままの、私のファーストキス。
11月30日
まもなく期末テストが始まる。といっても、うちの中学は大半がその
まま高等部へ進学するので緊張感はあまりない。
穏やか過ぎる毎日。
テスト前だというのに、西浦とマフラーを買いに行った。西浦はモス
グリーン、私はピンクのチェックを選んで、その場で身に着けた。
『暖かいね』
といったら、
『うん、でも』
といって私の手をとってブレザーのポケットに入れた。
『この方が暖かいよ』
ううん、なんだか熱かったよ。