コンチェルトⅡ ~沙織の章
沙織は 父のことを 思った。
思いやりは 人望になって 返ってくることを 父は知らない。
だから 沙織に 教えられなかった。
でも 紀之は 知っているから。
だから 樹と翔に 教えてくれる。
家族での生活に 沙織は 溢れるような感動を 覚えていた。
子供達は 毎日、何かしら 沙織の胸を熱くする。
紀之や 子供達が 沙織に 感動をくれる。
沙織はいつも もっと豊かな心になろうと 思っていた。
紀之と子供達が 自慢できる 母親になろうと。
幸せが 心を豊かにし 豊かだから もっと幸せになる。
紀之のご両親も 紀之も 沙織の 大らかな優しさに いつも感謝していた。
みんなの感謝が 沙織を 優しくしていることにも 気付いていた。