コンチェルトⅡ ~沙織の章
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「ただいま。」
玄関から 紀之の声がすると、
「あっ。お父さんだ。」
樹と翔は 玄関へ走っていく。
「お父さん、お帰りなさい。」
沙織よりも早く 紀之を出迎える子供達。
紀之は 毎日 ポケットに 小さなお菓子を 忍ばせて帰ってくる。
沙織に 見つからないように それを子供達に手渡す。
子供達は 急いで お菓子を頬張る。