コンチェルトⅡ ~沙織の章
「とっても良い家だったわ。沙織ちゃん お手柄よ。」
お母様は 弾んだ声で言う。
「偶然、噂を聞いて。でも 本当に良い家でしたね。まだ新しいし。」
沙織も 家の中を見て 安心していた。
家から 歩いて5分と かからない場所。
そこに 智之達が住んだら みんなが心強い。
麻有子や子供達とも もっと一緒に過ごせる。
みんなが 素敵な家族だから。
沙織は 麻有子達が 来た後のことばかり 想像していた。
夜 お父様に話すと お父様も紀之も とても喜んでくれた。
「智之達に話すのは 絵里ちゃんの受験が 終わってからにしましょう。」
お母様の思いやりに 沙織は感動する。
「そうだね。今は みんなで 絵里加姫を応援しないとね。」
お父様も 優しく言う。
「絵里ちゃんは きっと合格しますよ。」
沙織が言うと みんなも笑顔で頷いた。