コンチェルトⅡ ～沙織の章

１１月上旬から　絵里加の　受験は始まる。


受験した学校　全て　絵里加は　見事に合格した。
　

「ねえ。大丈夫って言ったでしょう。」

喜んで　合格の連絡を　してきた麻有子に　お母様は　優しく言う。
　

「みんなのおかげです。本当に　ありがとうございました。」

謙虚な麻有子は　涙汲んで　お母様に答えた。
　

「明日　子供達を送った後で　納入金の書類を　持って来てね。」

お母様は　麻有子に言う。


絵里加の学費も　お父様が用意するのだろう。


お母様と麻有子の　電話を聞きながら　沙織は　優しく微笑んでいた。