コンチェルトⅡ ~沙織の章
お父様が 予想していたとおり
智之達は 家を とても気に入っていた。
「こんな 素敵な家に 住めるなんて。本当に夢みたい。」
麻有子は 上気して 頬を染める。
「また 美奈ちゃんに 叱られちゃうな。お姉ちゃんに 贅沢させないで下さいって。」
智之の言葉に みんなが笑う。
「私 お掃除も 庭の手入れも 頑張ります。」
麻有子は言う。
「麻有ちゃんは マンションも 綺麗にしているもの。」
と沙織は答えた。
麻有子は 控えめに 首を振り
「こんな 素敵な家に 住めるのに 綺麗にしないと 罰が当たるわ。」
と真剣な顔で言う。
みんなが 温かく微笑み
「麻有ちゃんは なんでも 大切にするからね。」
とお父様は 優しく言った。