コンチェルトⅡ ~沙織の章

父親が大好きな 子供達は 

そのまま それぞれの 父親から離れない。


お父様が 締の挨拶をする時は

子供達も一緒に 7人で並んで お辞儀をした。
 

紀之は 樹と翔の 肩を抱き

智之は 絵里加と壮馬の 手を繋いで 

お客様を送り出す。


並んで お見送りをする 沙織達も 


笑顔が こぼれてしまう 微笑ましい光景。
 


「これだけ 家庭が円満なら 廣澤工業の将来は 大丈夫ですね。」

と口々に言われて。
 

いつか 樹が 社長を引き継ぐ日も

沙織は 紀之の隣で 微笑んでいよう。


お母様のように。


そして、樹を 翔と壮馬で 支えてほしい。

智之のように。
 


たくさんのお客様を 見送りながら

沙織の心は 一つの達成感と 新たな責任感で 震えていた。
 
 








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