コンチェルトⅡ ~沙織の章

紀之が 社長に就任して3年。


廣澤工業は 順調に 利益を伸ばしていた。

お父様は 紀之と智之の経営を 誇らし気に話してくれる。


家族は 今まで以上に 明るく 穏やかな毎日だった。
 

高校生と 中学生になった 樹と翔。

生意気盛りの 二人も

家族と過ごす時間は とても大切にしている。


旅行や食事も 嫌がらずに 一緒に行く。
 

普段の夕食後は リビングで お父様や紀之と 遅くまで話している。
 

「樹も翔も そろそろ 上がって 勉強しなさいよ。」

いつまででも 紀之と3人で 冗談を言い合っている子供達に 沙織が声をかける。
 

「お母さん怖いから。早くお風呂に入りなさい。」

紀之は 笑いながら言い 沙織も苦笑してしまう。


子供達は 紀之を とても尊敬しているから。
 










< 83 / 95 >

この作品をシェア

pagetop