Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜
「元々は医療用として開発されたんだよね。でも、麻酔の粗悪品ということで医療現場で使われることは一切ないよ」

レイモンドもそう言い、この薬物の恐ろしさを知っているシオンたちも頷く。しかし、エヴァンとレティシアはまだよくわかっていないようだ。

「クロコダイルを使うとこうなるよ」

サルビアがそう言い、子どもたちを映した写真を見せる。それを見てエヴァンは顔を真っ青にさせ、レティシアは小さく悲鳴を上げた。

クロコダイルを使用した子どもたちの皮膚は、緑色の変色しておりまるでワニのようだ。皮膚がワニのようになるため、クロコダイルと呼ばれている。

「この薬物、知識がなくても簡単に作れるって聞いたことがあるぞ。作り方を掲載したサイトがいくつもあって、家庭でも簡単に作れてしまう」

フリージアがポツリと呟き、部屋の空気はどんどん重くなっていく。その空気の中、サルビアがゆっくりと口を開いた。

「実は、未成年たちの薬物事件はある学校でよく起きているんだ。その学校に誰か潜入してほしい」
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