Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜
先生の心からのその言葉が嬉しくて、僕の瞳から涙がこぼれ落ちる。いつからだろう、こんなふうに心が穏やかになれたのは。いつからだろう、言葉使いが先生みたいになったのは。先生に出会って、いい方向に自分が変わっていくのがわかったんだ。

「君の心を救いたい。君からすればただのお節介だろうけど……。不器用だからこんな方法しかできないんだ」

先生がそう言って抱き締めてくれた。先生は不器用なんかじゃない。言葉で、笑顔で、人の心を救えるなんて限られた人にしかできないじゃないか……。

先生は僕の憧れの人になった。そして、僕も先生みたいに人の心を救いたいと思ったんだ。



レイモンドが過去を振り返っている間、フィオナたちはアルミンの自己紹介を聞いていた。アルミンは犯罪心理学を勉強し、犯罪心理学者として警察から捜査協力を依頼されることもあるそうだ。

「アルミンに容疑者たちの行動を見てもらい、犯人を一緒に特定してもらう」
< 19 / 35 >

この作品をシェア

pagetop