Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜

ローズがそう言い、微笑む。そして「いいカフェを見つけたの！きっと気に入るわよ」と言いながらクラシカルな雰囲気のカフェの写真を見せてくれた。それにフィオナは淡々と感想を述べる。その時、フィオナの耳に付けられた無線にアルミンから指示が入った。

「フィオナ、ローズ先生に薬物事件について何か知っているか聞いてほしい」

「了解しました」

小声でフィオナはアルミンに返事をし、先に歩いていくローズに声をかける。

「ローズ先生、少し聞きたいことがあるのですがよろしいですか？」

「何？」

小首を傾げるローズに対し、フィオナは質問をぶつける。

「この学校、薬物事件が一番起きているそうですね。何か知っていることはありますか？」

ローズはしばらくポカンとしていたものの、「フフッ」と声を出して笑い始める。しかしその笑いは、犯罪者が追い詰められた際に上げるものではなく、純粋に面白いと思った時に出す笑いだった。

「いきなりそんなことを聞いてどうしたの？確かに、薬物事件はこの学校で一番起きているかもしれない。でも、今は教師の目を厳しくして生徒が変なものを持ってこないようにしているわ。だから、きっともう事件は起きないはず」