Tear Flowers〜快楽は毒に変わる〜

ちなみに私は何も知らない、そう言ってローズはまた歩いて行く。フィオナは無線に「これでよろしかったですか？」と訊ねた。すぐにアルミンから返事がくる。

「フィオナ、ありがとう。彼女は白だとわかったよ」

アルミンの言葉にフィオナは目を見開く。彼女の話した数秒で、アルミンは白だと判断したのだ。どうやって判断したのか、フィオナは考えてみるもわからない。

「フィオナ先生、この部屋に荷物置いてちょうだい」

考えるフィオナにローズが声をかける。フィオナは「はい」と返事をし、また歩き出した。



エヴァンはユリウスを監視している。ユリウスは写真で見た通り無表情で、授業以外は必要事項以外口を開かない。エヴァンは心の底から彼が怪しいと睨んでいる。

（この人がきっと犯人だ！この二週間見てわかる。家かどこかで麻薬を作って、生徒に売りつけてるんだ。まだ証拠はないけど、きっとそうに違いない）

職員室で、エヴァンはプリントに採点をしつつ、誰とも話すことなく黙々と仕事をするユリウスを見つめた。