花よ咲け
葵と景浦さんが付き合い始めてから2週間。私の予想では孤立して寂しい学生生活を送ると思っていた。それなのに……
「日向君、紫吹さん、もしよかったらこれ見に行きませんか?」
「植物園の入場券じゃん。菫って植物好きなの?」
「はい。強く咲く花たちは癒しと元気をくれますから。」
なぜかほとんど毎日付き纏……放課後まで一緒にいてくれる。葵とまたこうやって話せるなんて思ってもいなかったからすごく嬉しい。でも、葵には彼女がいて私が2番になってしまった現実は時折苦しくなる。
「陽花はどうする?俺は行きたいんだけど。」
昔だったらふざけて手をつないだり抱き着いたりしていた。でも…それをこれからは見る側でいなくちゃいけないんだね……。
「私は…」
「おう、お前ら何やってるんだ?」
「おう、もみじ。実はさ、菫が俺と陽花に植物園に行こうって誘ってくれてさ、今話してたところ。」
「ふーん……紫吹は行くのか?」
私は……行くべきなんだろうか。私が行っても2人の邪魔をしてしまう。
「それ、俺も行っていいか?」
「え……?」
「いや、ほら、一応保護者として。何かあったら困るからな。それに男1人に女2人は許さん。」
「なんだそれ。っていうか、教師が生徒に手え出したら解雇になるぞ。」
「ああ、大丈夫、大丈夫。こう見えて彼女いるから。」
「はっ!?」
そういえば前に好きな人がいると言っていたような気がする。あれから告白したんだ。もみじにも負けているだなんて私って何なんだろう。
「証拠の写真見せろよ。」
「いや、そういうのは禁止されててな。写真はねえんだよ。」
「嘘だな。」
「違うっつの。しょうがねえな……俺を植物園に連れていくならそん時に見せてやるよ。」
「先生もそういうことを言うんですね。」
「お、景浦も興味あるか?」
「はい、先生の相手をできるのってどんな方なのかなと。」
「お前もなかなか言うな……。」
ああ、こういう空気って嫌になる。自分だけ取り残されている感じがして置いて行かれている感じがする。別にもみじに彼女がいることとか葵と景浦さんが付き合っていることは本人たちの勝手で私には関係ないことなのに寂しくなる。
「じゃあ、来週の日曜日でいいな。陽花もそれでいいか?」
え……私も本当に行くの…?独り身なのに…?
「あ、もしかして植物園嫌でしたか…?私、自分のことばかりで紫吹さんのこと全然考えてなかった……ごめんなさい……。」
「ううん、そんなことないよ。日曜日ね。」
「んじゃまあ、そろそろ解散だな。俺今日宿直だからお前ら帰さねえと職員室戻れねえ。」
「解散って、まだ17:00だっつの。子供じゃねえんだから。」
「俺から見れば子供だ。寄り道すんなよ。」
「分かったよ。」
「あ、あの……今日は私、紫吹さんと寄りたいところがあるので、日向君とは帰れない…です。」
「いいよ。陽花と楽しんでおいで。」
私と帰りたいだなんて初めていわれた。いつも私から誘っていた。でも正直今はどんな顔して話せばいいのか分からない。
「いいよ……。葵も…もみじもまた明日ね。」
「おう、気をつけて帰れよ。」
「日向君、紫吹さん、もしよかったらこれ見に行きませんか?」
「植物園の入場券じゃん。菫って植物好きなの?」
「はい。強く咲く花たちは癒しと元気をくれますから。」
なぜかほとんど毎日付き纏……放課後まで一緒にいてくれる。葵とまたこうやって話せるなんて思ってもいなかったからすごく嬉しい。でも、葵には彼女がいて私が2番になってしまった現実は時折苦しくなる。
「陽花はどうする?俺は行きたいんだけど。」
昔だったらふざけて手をつないだり抱き着いたりしていた。でも…それをこれからは見る側でいなくちゃいけないんだね……。
「私は…」
「おう、お前ら何やってるんだ?」
「おう、もみじ。実はさ、菫が俺と陽花に植物園に行こうって誘ってくれてさ、今話してたところ。」
「ふーん……紫吹は行くのか?」
私は……行くべきなんだろうか。私が行っても2人の邪魔をしてしまう。
「それ、俺も行っていいか?」
「え……?」
「いや、ほら、一応保護者として。何かあったら困るからな。それに男1人に女2人は許さん。」
「なんだそれ。っていうか、教師が生徒に手え出したら解雇になるぞ。」
「ああ、大丈夫、大丈夫。こう見えて彼女いるから。」
「はっ!?」
そういえば前に好きな人がいると言っていたような気がする。あれから告白したんだ。もみじにも負けているだなんて私って何なんだろう。
「証拠の写真見せろよ。」
「いや、そういうのは禁止されててな。写真はねえんだよ。」
「嘘だな。」
「違うっつの。しょうがねえな……俺を植物園に連れていくならそん時に見せてやるよ。」
「先生もそういうことを言うんですね。」
「お、景浦も興味あるか?」
「はい、先生の相手をできるのってどんな方なのかなと。」
「お前もなかなか言うな……。」
ああ、こういう空気って嫌になる。自分だけ取り残されている感じがして置いて行かれている感じがする。別にもみじに彼女がいることとか葵と景浦さんが付き合っていることは本人たちの勝手で私には関係ないことなのに寂しくなる。
「じゃあ、来週の日曜日でいいな。陽花もそれでいいか?」
え……私も本当に行くの…?独り身なのに…?
「あ、もしかして植物園嫌でしたか…?私、自分のことばかりで紫吹さんのこと全然考えてなかった……ごめんなさい……。」
「ううん、そんなことないよ。日曜日ね。」
「んじゃまあ、そろそろ解散だな。俺今日宿直だからお前ら帰さねえと職員室戻れねえ。」
「解散って、まだ17:00だっつの。子供じゃねえんだから。」
「俺から見れば子供だ。寄り道すんなよ。」
「分かったよ。」
「あ、あの……今日は私、紫吹さんと寄りたいところがあるので、日向君とは帰れない…です。」
「いいよ。陽花と楽しんでおいで。」
私と帰りたいだなんて初めていわれた。いつも私から誘っていた。でも正直今はどんな顔して話せばいいのか分からない。
「いいよ……。葵も…もみじもまた明日ね。」
「おう、気をつけて帰れよ。」