花よ咲け
「うわぁ……動物いっぱいいますよ。どこから見ますか?」
「別に好きなところでいいけど……。」


こんなに自由に自分をさらけ出せるなんて久しぶり。柳さんは大人だから……私も甘えたくなる。


「あの……手を…繋いでもらえますか…?」


「……いいよ。繋ごうか。」

「柳さんの手…冷たいですね。」
「冷え性だからね。」

「じゃあ、私が温めます。」
「……。」


柳さんの手…大きいな……。冷たくて気持ちいい。

「君はいつもどんな子なの…?」
「どんな……?」


不意な質問に驚いた。でも、私に興味を持ってくれたっていうことかな…?


「学校では…良い子にしています。学級委員をやっていて、勉強も運動も頑張っています。周りの友達は私を頼ってくれます。」

「へえ、優秀なんだね。」

「でも…たまには悪いこと、してみたくなります。」
「悪いこと…?」



くすくすと笑いながら話す柳さん。そんなに面白いこと言ったかな…?


「彼氏とかはいないの?」
「い、いません!いたら……柳さんとデート……できませんから。」

「そうなんだ……。」

「それより、何か食べませんか?ちゃんと柳さんの分も出せるようにお金持ってきましたから!」
「そうだね…ご飯にしようか。でも、お金は僕に出させて。デートなんだから。」
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