花よ咲け
HRが終わりいつもの恒例行事。「ヒマワリノート」を書く時間。勉強しか頭になかった私にとっての大切なノート。


《謙虚で一生懸命生きていてカッコいい》


彼が私にそう言ってくれた日から毎日続けている日記。日向君のことを書くためのノート。今日書くことは……

『新しいクラスでも日向君が学級委員になることになった。先生は女子の学級委員になることを薦めてくれたけど断ってしまった。距離が近くなるのは私には似合わない。でも……いつか近づけたらいいな。』

「景浦さん!」
「うわっ!」


慌ててノートを机にしまう。こんなもの見られた日には絶対ストーカーだと疑われる。


「景浦さん、いつも1人だよね。寂しくないの…?」
「私には……誰かといるなんてこと勿体ないですから……。」


「ふうん……今のノートも勉強?真面目なんだね。」
「え、いや……その……そんなところです。」


「陽花―、ちょっと手伝って。」
「分かった、今行く。」


クラスの子に呼ばれ向かっていく紫吹さん。人気者って凄いんだな。



「あ、景浦さん。」
「はい……。」

「そんなに怯えないでよ。私、友達になりたいだけなんだから。」



え……?今何て言ったの…?私と友達になりたい……?人気者の紫吹さんが…?





「今日、お昼一緒に食べようね。」


初めて食事に誘われた。今まで休み時間のたびに1人で過ごしていたのに。紫吹さんは本当にいい人なんだな。
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