捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
「里花さん、今日お忙しいのに大変ですね」
横の席から後輩の女子社員に言われる。確かに英語を使う仕事は、まだ自信がない。空いたときに由朗や沙織さんにも教えてもらってはいるけれど。
「たぶん、由朗なりのテストなんだと思う。ビジネスで英語を使えるかなっていう。頑張るわ」
「里花さん、頑張って。私、隣で聞いてますからね」
「わあ、だめ。プレッシャーになっちゃう」
後輩とふたりで笑い合う。
離婚から半年と少しが経った。私は宮成商事の総務部にすっかり腰を据え、毎日楽しく働いている。新入社員として一から仕事を覚え直し、なんでも率先して取り組んだ。わからないことはどんどん聞き、駄目なところは遠慮なく叱ってもらった。
宮成家の令嬢という扱いを社員の誰もが簡単には変えられない。それなら、私が変わるしかない。私はこの会社の戦力で、皆と一緒に会社を発展させていきたいという姿勢を見せるしかない。
アポイントの変更は、何度かつっかかりながらもどうにかできた。電話を切ったあと、「ああ、あんな言い回しをしてしまった」とか「あの言い方で意味が通じたかしら」など不安になって、すぐに由朗にメールしてしまったけれど、その晩の会食はつつがなく済んだそうだ。
まだまだできることはたくさんある。もう少しで二十六歳。もっと成長していかなくちゃ。
横の席から後輩の女子社員に言われる。確かに英語を使う仕事は、まだ自信がない。空いたときに由朗や沙織さんにも教えてもらってはいるけれど。
「たぶん、由朗なりのテストなんだと思う。ビジネスで英語を使えるかなっていう。頑張るわ」
「里花さん、頑張って。私、隣で聞いてますからね」
「わあ、だめ。プレッシャーになっちゃう」
後輩とふたりで笑い合う。
離婚から半年と少しが経った。私は宮成商事の総務部にすっかり腰を据え、毎日楽しく働いている。新入社員として一から仕事を覚え直し、なんでも率先して取り組んだ。わからないことはどんどん聞き、駄目なところは遠慮なく叱ってもらった。
宮成家の令嬢という扱いを社員の誰もが簡単には変えられない。それなら、私が変わるしかない。私はこの会社の戦力で、皆と一緒に会社を発展させていきたいという姿勢を見せるしかない。
アポイントの変更は、何度かつっかかりながらもどうにかできた。電話を切ったあと、「ああ、あんな言い回しをしてしまった」とか「あの言い方で意味が通じたかしら」など不安になって、すぐに由朗にメールしてしまったけれど、その晩の会食はつつがなく済んだそうだ。
まだまだできることはたくさんある。もう少しで二十六歳。もっと成長していかなくちゃ。