捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
気分を変えたくて、昼食は外に食べに行った。しかし、いざ何か食べようと思ったら何も食べたくなくなってしまった。コンビニでおにぎりを買い、近くの公園のベンチに腰かけた。オフィス街の真ん中にある小さな緑地だ。同じように昼食を取っている会社員がたくさんいる。
「あれ、姉さんどうしたの?」
通りかかったのは由朗だ。横には沙織さんもいる。
「外で食べようかと思って。ふたりは?」
私は手付かずのおにぎりを持ち上げてみせた。由朗が答える。
「打ち合わせがあって、そのままランチしてた。……姉さん、奏士くんがまたアメリカに行っちゃってから元気ないね」
「そんなに露骨に元気なかった? 気を付けるね」
私は苦笑いして見せる。弟に気を遣われるのは恥ずかしいし、さっきは後輩にまで心配されてしまった。こんなことでは駄目だ。
「奏士社長、今は、あちらの拠点でトラブル対応で出向いているだけ。本来はもう日本中心に仕事をしているはずだし、すぐに戻ってくると思うから。何か動きがあったらすぐに知らせるわね」
「沙織さん、そんなに心配しないで。私は元気だから」
私はにっこり笑って見せ、それから目を細めた。
「私としては由朗と沙織さんがこうして仲良くランチしている方が気になるんだけどなぁ」
「え」
ふたりが驚いた顔をした。由朗が明らかに困った顔をし、私と沙織さんを見比べている。沙織さんはめずらしく曖昧な笑顔のまま固まってしまった。
「あれ、姉さんどうしたの?」
通りかかったのは由朗だ。横には沙織さんもいる。
「外で食べようかと思って。ふたりは?」
私は手付かずのおにぎりを持ち上げてみせた。由朗が答える。
「打ち合わせがあって、そのままランチしてた。……姉さん、奏士くんがまたアメリカに行っちゃってから元気ないね」
「そんなに露骨に元気なかった? 気を付けるね」
私は苦笑いして見せる。弟に気を遣われるのは恥ずかしいし、さっきは後輩にまで心配されてしまった。こんなことでは駄目だ。
「奏士社長、今は、あちらの拠点でトラブル対応で出向いているだけ。本来はもう日本中心に仕事をしているはずだし、すぐに戻ってくると思うから。何か動きがあったらすぐに知らせるわね」
「沙織さん、そんなに心配しないで。私は元気だから」
私はにっこり笑って見せ、それから目を細めた。
「私としては由朗と沙織さんがこうして仲良くランチしている方が気になるんだけどなぁ」
「え」
ふたりが驚いた顔をした。由朗が明らかに困った顔をし、私と沙織さんを見比べている。沙織さんはめずらしく曖昧な笑顔のまま固まってしまった。