捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
弟にゆっくり休んでもらうためにも私は仕事をしなければならない。
父の秘書業務は、社内だけの仕事では済まない。同行することも多いし、そのための下調べや準備も必要だ。運転手役をすることも増え、ペーパードライバー状態だった私は緊張の連続だ。
当然、社内でのスケジュール管理や資料作成、各部署との調整も私の仕事。総務の仕事も兼務しているのでなかなか忙しい。でも、この忙しい日々をこなすことで、自分自身の成長に繋がるようにも思えた。

奏士さんももう少しで帰ってくる。胸を張って会うために、頑張ろう。

しかし、我ながら情けないことに、忙しくなってから寝つきが極端に悪くなってしまった。
身体は疲れているのに、あれやこれやと考えているとなかなか眠りが訪れない。明け方近くにようやくうとうとし、はっと気づけばもうアラームが鳴っている。
おそらくプレッシャーを感じているのだろうと自分でも思う。突然、多くの仕事が目の前に並び、由朗のためにも失敗なくすべてをこなそうと思うと、どうにも肩に力が入ってしまうみたい。

こうなるとなかなか疲労が取れない。だけど、私まで体調を崩しては、両親が心配するに違いない。由朗も自分のせいだと思ってしまうだろう。
ストレスやプレッシャーは私が勝手に感じているだけ。リラックスしなきゃ。
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