捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
仕事を片付け、食事もなるべくしっかり取り、可能な限り早く布団に入る。父のお伴をこなし、由朗のお見舞いに沙織さんと功輔さんと行く。
そんな日々が十日ほど続いた。この日は土曜で、母の代わりに朝から由朗のお見舞いに行く予定だった。沙織さんと功輔さんとも待ち合わせている。
朝食をあまり食べられなかった。疲労と睡眠不足のせいだろうか。自分の脆弱な精神が憎い。仕事で責任が増して不安定になるなんて。こんなことで奏士さんの妻になれるのだろうか。三栖グループの一員になれるのだろうか。
「姉さん、ありがとう。功輔くんも」
だいぶ顔色のよくなった由朗は来週には退院ができる。思えば入院した頃は、変に痩せていたし、頬がこけていた。今ははつらつとしていて、休養が効いているのを感じられた。
「由朗くん、食べたがってた豆大福買ってきたよ」
「沙織ありがと。え、一個だけ?」
「駄目、ある分食べちゃうんだから」
仲睦まじいふたりを残し、私と功輔さんは病室から退散した。普段はうちの両親と鉢合わせないように、病室前で功輔さんと待機するんだけれど、今日はふたりともそろって会食に招かれている。病室の前にいなくても大丈夫だろう。沙織さんと由朗を残して私たちは中庭に出た。
「功輔さん、お休みなのにありがとう」
そんな日々が十日ほど続いた。この日は土曜で、母の代わりに朝から由朗のお見舞いに行く予定だった。沙織さんと功輔さんとも待ち合わせている。
朝食をあまり食べられなかった。疲労と睡眠不足のせいだろうか。自分の脆弱な精神が憎い。仕事で責任が増して不安定になるなんて。こんなことで奏士さんの妻になれるのだろうか。三栖グループの一員になれるのだろうか。
「姉さん、ありがとう。功輔くんも」
だいぶ顔色のよくなった由朗は来週には退院ができる。思えば入院した頃は、変に痩せていたし、頬がこけていた。今ははつらつとしていて、休養が効いているのを感じられた。
「由朗くん、食べたがってた豆大福買ってきたよ」
「沙織ありがと。え、一個だけ?」
「駄目、ある分食べちゃうんだから」
仲睦まじいふたりを残し、私と功輔さんは病室から退散した。普段はうちの両親と鉢合わせないように、病室前で功輔さんと待機するんだけれど、今日はふたりともそろって会食に招かれている。病室の前にいなくても大丈夫だろう。沙織さんと由朗を残して私たちは中庭に出た。
「功輔さん、お休みなのにありがとう」