捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
「私は他の誰でもない奏士さんと幸せになりたい。私の気持ち、信じて」
「ああ、里花。好きだよ」
「私も」

私たちはしばしそうして身を寄せ合った。大事な気持ちを分け合うように。
それから、「ごはん冷めちゃうね」と笑顔になって食事に戻った。

意外だった。奏士さんにも不安はあったのだ。私に愛されているかという不安。
そんな気持ちにさせてしまったことを申し訳なく思った。
もっと愛情を伝えていかなければ。もっとあなたが大事だって言葉にしなければ。
隣に寄り添って、不安になる必要はないと微笑むのが私の務めだ。

「そうだ……」

明日のために早々にベッドに入った私たち。眠る奏士さんを見つめ、私はあることを決めた。
私自身は、まだ考えられないと思っていたこと。だけど、彼との未来のために真剣に考えた方がいいこと。

「大好き、奏士さん」

私は眠る彼の唇にキスをして、自らも隣に横たわった。

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