捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
『奏士さん、平気です。仲良く生活していますから。……こんなパーティーに参加するのも久しぶりで、今日は会場の空気に酔ってしまったみたいです』
『そうか。彼を呼んでこようか?』

そんなことをしたら、また京太は不機嫌になるだろう。私は首を振り断った。

『戻ります。遅くなっては、主人が心配しますから』

そうして、私たちは別れた。あの日、私は強がって彼にSOSをださなかった。
久しぶりに会えた大事な人を、こんなことに巻き込みたくなかった。

それなのに、昨晩、思わぬ再会をした結果、巻き込んでしまった……。

「もう、奏士さんに会っちゃだめ」

私は寝返りをうち、ベッドに顔を押し付けひとり呟いた。

「どうせ、何も変えられないんだから」


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