捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
「由朗くん、俺は古風なのかもしれないけれど、奥さんに働いてほしくないんだ。里花にいずれは郷地の跡継ぎを産んでほしいし、家庭を守ってほしい」
よく言う。最初から家庭崩壊状態にしているくせに。
だけど、それを由朗には言えない。京太が偉そうに言うのを聞いているしかない。
すると、会場の正面舞台に明るいスポットライトがあたった。
三栖社長と隆士さん、そして奏士さんの姿が現れる。
「こんばんは、今日はお集まりいただきありがとうございます。三栖奏士です」
私は一瞬にして奏士さんに心奪われた。ああ、奏士さんだ。こうしていると、私を助けてくれた晩が夢の中のよう。ほんの先週のできごとなのに。
駄目だ。こんな目で彼を見つめていてはいけない。私はもう人妻なのだ。
そう考えながらも、奏士さんのスピーチに聞き入っているわずかな間は、京太への不快感を忘れることができた。
よく言う。最初から家庭崩壊状態にしているくせに。
だけど、それを由朗には言えない。京太が偉そうに言うのを聞いているしかない。
すると、会場の正面舞台に明るいスポットライトがあたった。
三栖社長と隆士さん、そして奏士さんの姿が現れる。
「こんばんは、今日はお集まりいただきありがとうございます。三栖奏士です」
私は一瞬にして奏士さんに心奪われた。ああ、奏士さんだ。こうしていると、私を助けてくれた晩が夢の中のよう。ほんの先週のできごとなのに。
駄目だ。こんな目で彼を見つめていてはいけない。私はもう人妻なのだ。
そう考えながらも、奏士さんのスピーチに聞き入っているわずかな間は、京太への不快感を忘れることができた。