捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
沙織さんは私を支えるように会場から連れ出し、控室に使われている様子の一室に案内してくれた。
「沙織さん」
「里花さん、あの旦那、本当にクズですねえ。奥さんが具合悪そうって言って、あんな顔します? 里花さんのことずーっとひっぱり回して。休憩もろくにさせてないじゃないですか」
沙織さんがあの日と同じトーンで怒っているので思わずくすっと笑ってしまった。私の代わりに怒ってくれるのがありがたい。
「社長に、折を見て連れ出せと言われていました。間もなくいらっしゃると思います」
「沙織さん、ありがとうございます。でも奏士さんが?」
「里花さんのことをずっと心配しておいでですよ」
沙織さんは私の前に温かなお茶を用意してくれる。すると、ドアが開き、奏士さんが現れた。
「里花!」
「奏士さん」
私は立ち上がる。奏士さんがそれを制し、ソファに座り直させると自らも隣に座った。
沙織さんは部屋の隅の椅子にかけ、私たちの再会をにこにこ見守っている。それ以上は口を開かないでいるので、ふたりで話をさせたいと思っている様子だ。
「今日はパーティーに来てくれてありがとう。あの日、誘っておいてよかった」
「沙織さん」
「里花さん、あの旦那、本当にクズですねえ。奥さんが具合悪そうって言って、あんな顔します? 里花さんのことずーっとひっぱり回して。休憩もろくにさせてないじゃないですか」
沙織さんがあの日と同じトーンで怒っているので思わずくすっと笑ってしまった。私の代わりに怒ってくれるのがありがたい。
「社長に、折を見て連れ出せと言われていました。間もなくいらっしゃると思います」
「沙織さん、ありがとうございます。でも奏士さんが?」
「里花さんのことをずっと心配しておいでですよ」
沙織さんは私の前に温かなお茶を用意してくれる。すると、ドアが開き、奏士さんが現れた。
「里花!」
「奏士さん」
私は立ち上がる。奏士さんがそれを制し、ソファに座り直させると自らも隣に座った。
沙織さんは部屋の隅の椅子にかけ、私たちの再会をにこにこ見守っている。それ以上は口を開かないでいるので、ふたりで話をさせたいと思っている様子だ。
「今日はパーティーに来てくれてありがとう。あの日、誘っておいてよかった」