不条理なわたしたち
「空気清浄機だよ。一つは寝室、一つはリビングに置くよ。葵ちゃんが昨日くしゃみしてたからね」

笑顔で言われたらパカリと口が開いた。

くしゃみ一つで!?

「蓮水さんて過保護すぎます!返品しましょう!」

「返品するにも手間もお金も掛かるよ?」

うっ!確かに!

「俺が買いたかったんだ。葵ちゃんは気にしない。あとこれも君へのプレゼント」

笑顔で小さなダンボールを差し向けられた。

高い物だったらどうしよう。
でも受け取らないのは失礼だと、恐る恐る受け取る。

「あ、ありがとうございます……開けて良いですか?」

「勿論」
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