不条理なわたしたち
蓮水さんがリモコンでリビングの電気を消した。

月明かりを頼りに仄暗い部屋を蓮水さんに手を引っ張られて歩く。

ここへ来てから昨日も私は先に眠っていて、一緒のタイミングでベッドに入るのは初めてだ。

緊張で身体が変に強張る私を蓮水さんはベッドの縁に座らせた。

すると傾けて近付いてくる端正な顔。

鼓動は激しい音を打ち鳴らしているところに優しく唇が重ねられた。

このまま今日も……


「おやすみ」


聞こえてきた言葉に驚いて目を開ける。
目をパチクリさせていたら蓮水さんは私が入りやすいように布団を捲り上げた。
< 111 / 120 >

この作品をシェア

pagetop