不条理なわたしたち
「は、蓮水さんっ!?」

私は思わず名前を呼んだ。


「今は流されて」

私を見つめる切れ長の双眸が怖くなって私は叫ぶ。


「私は隼斗君がっ!んんっ!」

だが蓮水さんに唇をまた塞がれた。


「アイツは君を裏切った」

その言葉に心臓がギュッと鷲掴みされたみたいに痛くなる。

蓮水さんの胸を両手で押すが、あっさりと私の両手首は蓮水さんに捕まり、ベッドに押さえつけられた。


「慰めさせて」

光るような瞳に身体がゾクリと震えた。

それと同時に彼がこれから何をしようとするのか分かった。

抵抗しないと!
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