不条理なわたしたち
甘い言葉と微笑みで返されると今日も私の鼓動は跳ね上がり、言葉を詰まらせたが、一秒後、私の鼓動は更に飛び跳ねる。

今はランチの時間帯の土曜日のショッピングモールのレストランフロア。
この和食のお店も順番待ちで、店前に並ぶ順番待ちの人用の椅子には十人程並んでいる。

そんな公衆の面前で、色気ダダ漏れの愛おしそうな眼差しを私に向けながら私の頬を優しく撫でている。

周りから視線を感じるが、ドキドキのしすぎで私は目すら動かせない。

「葵ちゃん、俺には気を遣わないで我が儘を言ってよ。君の言うことは何でも聞いてあげたいから」

存分に甘やかす言葉と、キラキラした微笑を向けられたら完全に蓮水さんに魅了された。

ほわんとした蕩けた目を蓮水さんに向けていると、突然唇に掛かった吐息。
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