不条理なわたしたち
蓮水さんの口から出てきた予想外の言葉に、は？と驚いて思わず彼を見る。

産んで欲しいって、それよりもだ。


「あ、あの、私を疑わないんですか？本当に、自分の子供かって」

だって私は二ヶ月前まで隼斗君と付き合っていたんだから。


「何故？」

蓮水さんは不思議そうな表情を浮かべる。


「私達、二ヶ月会ってないし、それにお互いのこと、よく知らないですし……」

「君は嘘をつける人間だと思わないし、それに身体のことはよく知っているつもりだよ」

その言葉にあの二ヶ月前の情事を思い出して身体中が熱くなる。

「って、冗談言ってる場合じゃないな」

蓮水さんが自分にツッコミを入れたのを見たら少し冷静になり、心を引き締め直す。

「そんな、責任なんて感じる必要ないですから！」

蓮水さんに引き止められるとは思ってもいなかったから声が大きくなってしまった。
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