不条理なわたしたち
「一緒に帰るよ。俺の家に」

「無理です!」

「君の家は何処?近いなら衣類を取りに行こうか」

無理だと言っているのに蓮水さんは勝手に話を進めていく。


「私は自分の家に帰ります!」

住んでいる所までバレたら逃げ場が無くなる。

「教えてくれないなら、俺の家に帰るよ」

「嫌です!」

「あ、でももうこんな時間か。俺の家だな」

時計を見て呟くとまた勝手に決めた。

「ちょっと聞いて下さいっ!」


私の意見は通らなかった。
蓮水さんが私の手を離してくれないから。

こんなことは間違っていると叫びたい。

でも間違っているのは私自身もだ。

こうなったのは自分が快楽に流されたせいだ。
< 39 / 120 >

この作品をシェア

pagetop