不条理なわたしたち
「一人で入らせてもらいます!」

限界すぎて、私は叫びながら立ち上がった。

急いで逃げようとしたら、

「走らないで。赤ちゃんが居るんだから」

焦った強めの声で私を捕まえた。

また蓮水さんの腕の中に逆戻り。

「は、走らせようとする蓮水さんがいけないんです!」

「俺は普通にしてるだけだけど」

蓮水さんの楽しそうな声が私を余計に狼狽させていく。

「走らないから、離して下さいっ!」

「分かったよ」

やっと離してくれて、お風呂に早歩きで向かった。


お風呂にはさっと入った。
自分の家より大きすぎるし、落ち着いてなんていられないから。
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