不条理なわたしたち
「わ、私、結婚するって言ってません!」

「葵ちゃんはやっぱり物じゃ釣れないか。まぁそこが更に気に入ったけどね」

狼狽する私を見ながら余裕そうに笑う蓮水さん。
蓮水さんが私のどこを好きになったのか、さっぱり分からないのに、更に気に入られてしまった。

「この後、寄りたい所ある?」

「い、いえ、特には……」

「じゃあ少し付き合って」






「まずこれを読んで調べないとね」

蓮水さんはニコニコ楽しそうに妊娠と出産の有名な雑誌をカゴに入れた。

あれから蓮水さんに連れて来られたのは赤ちゃん用品を取り扱うお店。
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