不条理なわたしたち
ペットボトルを受け取ると、突然鼻がむずむずしてくしゃみが出た。
すると急に蓮水さんが慌てた様子で立ち上がるとリビングから出て行った。

「体温測って!」

怖い顔で戻ってくると今日買ったばかりの体温計を差し向けられた。

「へ?」

突然の意味不明な蓮水さんの行動に私はポカンとなってしまう。

蓮水さんはお風呂とかブランケットとか清浄機とか何かをボソボソ言ったが、はっきりと聞きとれなかった。
一先ず言われた通りに脇に体温計を挟むことにした。

「蓮水さん、突然どうしたんですか?」

蓮水さんの挙動の意味が分からなくて、眉を寄せながら訊ねる。

「君が風邪を引いたら、赤ちゃんも大変だから。もう君だけの身体じゃないから」

蓮水さんは心配そうな表情を私に向けてきた。
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