不条理なわたしたち
まだ私にはこの子を産む覚悟は出来ない。

でも今は簡単に殺すことはもう選べない。

蓮水さんにも誠意を持って答えを出すべきだから。

蓮水さんは私を求めてくれているとは伝わった。

もし責任感だけで彼と結婚をしても、いつかは破綻するだろう。

だって私には蓮水さんに愛情は無いから。


そっとお腹に手を添える。
生命が宿っている実感はやはり無い。

この子は何の罪もない。
身勝手な私達のせい。

こんな残酷な女が母親でごめんね、とお腹に謝った。
< 87 / 120 >

この作品をシェア

pagetop