不条理なわたしたち
「私には、初めてだったんです……全部……」

私は北海道から大学に通うために東京に上京してきた。
隼斗君は同い年で同じ大学に通っていた。
隼斗君は背も高くて、顔も整っていたから、女子から凄くモテていたし、彼は東京の人で田舎人の私には最初は遠い人だった。
そんな彼に大学二年の時に告白された。
まさか私を選んでくれるとは思わなくて、驚きながらも頷いた。
それから私達は付き合い始めた。
この茶色い髪も彼が勧めたから染めた。

私には初めての彼だった。

全部の初めてを彼に捧げた。

だから、簡単に終わらせられるわけがない。


「それに彼からメール来たでしょ?話がしたいって。きっと別れ話だ」

「まだ、分からないです……」

「別れなかったら、また同じ目に遭うよ。そういうことをするやつはまた同じことをする」

蓮水さんはどんどん追い込む言葉を投げる。

涙は止まらない。


「きっと私に、魅力が無いからいけないんです……」

それでも私は彼を庇ってしまう。
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