最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「龍幻さん!」

「マジ半端ねえです!俺、さっきの話を聞いて龍幻さんに憧れちゃいました!」


壱流の部下たちは目をキラキラさせながら龍幻を見ていた。しかし、その光景は壱流にとって気に食わなかった。


「俺を差し置いて龍幻ばっか見てんじゃねぇ!」

「す、すみませんでしたぁぁぁぁ!!」


その場にあったダンボールを蹴り上げる壱流。


部下たちは怖がって壱流から離れてしまった。


「壱流やりすぎだ」

「だって…」


「そんなんだから、いつまで経っても部下と仲良くなれないんだぞ」

「言われなくてもわかってる。
いいんだ、俺には龍幻がついてるから」


「オレは壱流より年上だから。
オレが言いたいのは同世代と……」

「あー!うるさいうるさい」


壱流はその場にしゃがみ込んで耳を塞ぐ。


どうやら、龍幻の説教じみた話を聞きたくないようだ。


「いくら背が高くなったところで子供っぽいところはいつまでも変わらないな、壱流」

「うるせぇ。俺には時間がねえんだ。
早くアイツを、闇姫を見つけないと俺は……」


「……そう、だな。(やはり闇姫はお前にとって……)」


壱流の黒い瞳にはなにが見えているのか。


彼が闇姫を捜す本当の理由とは?


そして、現在の闇姫は壱流と同じく高校生になっていた。
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