最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~
「俺様も夢愛を人質に取られれば、その吸血鬼には逆らえない。そいつは言った。皇綺羅(すめらぎ)壱流(いちる)にそれを打てと」

「そん、な」


ただの人間である壱流をそこまでして闇の世界に落とそうとしている吸血鬼って…。


「契約をしなければどうなるの?」

「死ぬ」


「!?」

「死ぬって…それ、本当なんですか?壱流さんはその事を姉貴には言わなかった。それにはなにか理由でもあるっていうんですか?」


「契約をした相手は吸血鬼になる。
それも完全な」

「……」


そんなこと知らない。


壱流はそれを隠してたっていうの?


「壱流が頼めば、貴様は迷うことなく自らの身体を差し出すだろう?」

「当然でしょ!?壱流が私を好きだと言ってくれた。わたしだって彼が好き。これが運命の相手じゃなければなんだっていうの!?」


「だからだ」

「え?」


「それをわかっていたから、壱流は貴様に話さなかった。今後も言うつもりはなかったはずだ」


じゃあ、もし壱流と付き合うことになっても…壱流は18歳になったら私を置いて死ぬつもりだったってこと?
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